年間12万人の方が肺炎で亡くなられています。
9割が65才以上の高齢者です。
唾液は体温と同じでダラダラと喉に流れていき、喉の奥でむせる感覚を阻害していきます。また、嚥下反射の感覚も阻害されむせない誤嚥が起こります。
どういう時に起こるのでしょうか。
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実は寝ている時が一番多くなります。
喉の内部を見えるようにした生体モデル(トラピス)で説明します。
知っているようで知らないことに、胃につながる食道は普段閉じています。喉に溜まった唾液すら食道に流れません。
仰向けで寝ていると口から唾液は、喉に流れていき気管の入り口周辺に少ししかたまりません。その量を超えると気管に流れ込み、むせなければ誤嚥します。
唾液の他にも鼻水も体温と同じでむせと嚥下の感覚を鈍らせむせない誤嚥の原因になります。
むせない誤嚥の予防方法は、唾液や鼻汁を肺に入れないようにすることです。
完全側臥位になると、下のように気管の入り口(声門)より低い所に15〜20cc貯まります。この状態から、枕を低くし、口元を下向きにすると喉に溜まっている唾液や鼻汁は肺から遠ざかるように口に向かい頬に溜まる量を超えると口から流れ出します。
気管の入り口より上で、 3cc程しか溜まらない。 むせや誤嚥のリスクが高い。 |
気管の入り口より下で、 20cc程溜まる。 むせや誤嚥のリスクが低い。 |
完全側臥位になり、枕を低く口元を下向きにする。
この姿勢では、唾液は喉の奥に流れにくくなり、ほほに溜まり口元から流れ出やすくなる。
経鼻経管栄養や胃瘻では、唾液の量は増えます。仰臥位でギャッチアップしていると唾液でむせて咳き込むと腹圧がかかり胃内容物の逆流につながり誤嚥する場合があり、この回復体位が有効です。
これが、唾液誤嚥予防の姿勢 「回復体位」です。
体に楽な回復体位は、肩と肘を平行にすることにより、胸が張り(胸郭が開き)呼吸がしやすくなります。大転子(骨盤)と膝、踵を平行にすることにより体のねじれが防げます。
回復体位クッションは、カバー・腕中材・足中材・高さ調整小袋からなります。チャックを開けて、ボリュームを足したいところに高さ調整小袋を入れ、チャックを閉めたのちビーズを手でならして、腕や足の高さを調整できます。中材は写真の向きに入れる。中材のビーズ取り出し口よりビーズを抜いて低くすることができます。
中材がずれない様に、カバー内部のボタンと固定します。
・側臥位になると仰臥位より、マットに接する面積が小さくなるため圧力が高くなります。特に下になった肩、腰、腕、くるぶしに圧がかかり痛みを感じたり、場合によっては褥瘡の危険性が高くなるので注意が必要です。
・男性や女性、個人による体格差と低反発マットレスやエアーマットレスなどの沈み込みにより、マット面から腕や足の高さは異なります。
・チャックを開けて、付属のクッションを必要な個所に入れビーズを移動させて高さ調整してください。
・高さが足らない場合は、タオルなどを折りたたんで必要な個所に入れ調整してください。
・クッション部が高い場合は、ビーズ取り出し口からビーズを抜いて調整してください。
ビーズ取り出し口のひもを緩め、トイレットペーパーやラップの芯などのパイプを利用して、ビーズをクッションから出し入れして厚みの調整できます。
また、男性と女性では肩幅に差があるので、小袋の出し入れで上肢の高さを調整できます。
一回調整すれば、誰がやってもほぼ同じ回復体位が調整できます。
肘が肩より高くなると痛みを感じやすくなります。同じくらいか少し低いぐらいがいいです。
回復体位姿勢は完全側臥位と同じ調整方法で、頭の位置下げて口元を下にすることで唾液を肺から遠ざけるようにします。
回復体位クッションを購入していただくと
・姿勢調整ビデオ
・唾液誤嚥について
・唾液の色について
説明したDVDを付属にしてます。