これらは座位や仰臥位での姿勢で見られる症状です。適切な嚥下診断の元、横向きになる完全側臥位ではむせずに、がらがら声もなく食べられる方が多くいます。
福村直毅医師は、2007年に鶴岡協立リハビリテーション病院在職中に完全側臥位法を発見し、治療に導入し鶴岡市では肺炎死亡率が低下しました。2015年に健和会病院に移り、長野県飯田地区を中心に最新の嚥下治療が全国に広がっています。
声門の先に気管があり、飲食物が気管に入ることを誤嚥といい、誤嚥性肺炎になる恐れがあります。
完全側臥位になると気管より低いところに沢山ためられ、嚥下反射が起こるまで重力によって気管に入ることはない。
重度の嚥下障害者にとって
飲み込むまで誤嚥しない安全なところに食物を溜めておくことは重要です。
そのために考えられた枕が「ふたこぶラックン」です。
障害に応じて、
頭頚部の高さや傾きを調整し、食事中安定させ疲れないで食べられるように考えられました。
後頭部から頬にかけて三角形と長方形のビーズ枕が支えます。
三角形と長方形枕の下にタオルを巻き込む。タオルに頭の重みがかかることで2つの枕を引き寄せ、頭部が固定します。
1.完全側臥位の姿勢調整方法 完全側臥位支援クッション(ピタットくん90)の調整
3分36秒
2.頸部回旋の調整方法 ふたこぶラックンの調整方法
2分45秒
頸部回旋で飲み込める症状
自分で食べられる方も頭が安定して食べやすくなります。
ふたこぶラックンの取扱について
■サイズ:
縦36cm〜50cm
(コブの間のサイズはバンドで調整できます。)
幅20cm
高さ(小さいコブ)9cm(高いコブ)20cm
■材質:
枕カバー ポリエステル100%
タオル ポリエステル85%、ナイロン15%
■洗濯方法:
枕本体は洗濯できません。
カバーを外し、カバーのみお洗濯をしてください。
【枕カバー】
・中性洗剤を使用し、30℃の水で弱い手洗いをしてください。
・漂白剤は使用できません。
・ドライクリーニングが可能です。
・低温であて布をしてアイロン掛けをしてください。
【タオル】
・ネットを使用し、40℃の水で弱水流にて洗濯してください。
・漂白剤は使用できません。
・日陰干しで乾かしてください。アイロン掛けはできません。
■使用上の注意:
・火気に近づけないでください。
・長時間汗や水にぬれたり、浸けたままにしますと他のものに色移りすることがありますのでご注意ください。
・洗濯の際、色落ちすることがありますので他のものとのお洗濯はお避けください。
・本来の用途以外には使用しないでください。
※本姿勢の効果は、嚥下造影検査下で医師が判定することが望ましいです。
また、上記の姿勢を調整しても、必ずしも誤嚥しないわけではございません。