やってみよう完全側臥位

2007年に福村直毅先生が、一側嚥下で嚥下造影検査をしているときに、田口言語聴覚士の一言で偶然発見した方法です。以来、喉の仕組みから研究し直し、実践し多くの重度嚥下障害者を家族を救ってきました。普遍的な人体構造(喉の構造)から誤嚥しない方法を紹介いたします。

あなたやご家族は、悩んでいませんか。

完全側臥位なら、口から食べられるかもしれません。

症状では

1.     水分でむせたりする。

2.     がらがら声がする。

3.     飲み込んでも食べ物が残る方

 

完全側臥位で生活が変わります。

 

・嚥下前後の誤嚥を予防できる。

・飲食物がのどにたくさん貯められ、嚥下反射が起こりやすくなる。

・一回の嚥下で飲み込める量が多いので、口からの栄養摂取量が多く取れる。

・安全に食べる訓練ができる。

 ・胃より上に口があるので、胃から飲食物が逆流しない。

 ・嘔吐しても口から直ぐに吐きだせる。

 


姿勢を変えてみてください

座位や仰臥位でむせたり、ガラガラ声がし出すと姿勢を変えることを考えてみてください。

横向きになって、むせやガラガラ声がなくなると口から食べられる可能性が高いです。

まず、

・とろみ水で飲み込めるか。 次に

・ヨーグルトが飲み込めるか。 次に

・ペースト食と食形態を変えてみてください。

途中でガラガラと鳴りだすと口から食べさせるのはやめましょう。

しっかりとろみ水で喉に溜まった物を飲み込んでください。

 

完全側臥位とは

完全側臥位とは、横向きになりベッド面に対して、両肩を結んだ線が垂直になる姿勢です。
完全側臥位の姿勢

完全側臥位とは、横向きになりベッド面に対して、両肩を結んだ線が垂直になる姿勢です。この姿勢では、左右どちらかの首の側面(咽頭側面)が真下になり、口から食道までの食材の流れを、重力を利用し首の側面に流すことができ、

 飲食物が気管に入らないので、食事中に誤嚥しません。


ふたこぶラックンは、完全側臥位で食事をするときに頭部を安定させるのに使用する枕です。
ふたこぶラックンの使用

姿勢保持ポイント

・咽頭側面が真下に保持できるようにすること。

   ・背中側へは崩れさせない。

   ・肩のラインと骨盤が垂直に保てるように整える。

   ・枕は顔を上向きにした状態を保てるようにする


30度仰臥位の事実

30度仰臥位では咽頭背面に食物の貯まる場所がなく、梨状窩に3㏄ほど溜まる。


完全側臥位はなぜ誤嚥しない

完全側臥位になると咽頭側壁から梨状窩にかて20㏄ほど溜まる。




のどに食べ物が誤嚥しないで貯まる量の比較

完全側臥位は、従来の仰臥位と比較すると

嚥下前後に飲食物が、誤嚥しない安全な場所たくさん貯められます

 

              

喉にある飲食物は、完全側臥位では重力に逆らって気管に入れない。仰臥位では重力によって気管に向かう
喉にある飲食物は、完全側臥位では重力に逆らって気管に入れない。仰臥位では重力によって気管に向かう

・咽頭側壁(首の側部)に沿った空間は、声門(気管の入り口)より下側に広がり誤嚥しない空間になる。

・舌を超えたところから梨状窩まで繋がった空間であり、1520㏄ほど貯められる。仰臥位では梨状窩や喉頭蓋谷などに3㏄ほどしか貯められない。

 

完全側臥位の優位性

・嚥下前後の誤嚥を予防できる。

・飲食物がたくさん貯められ、嚥下反射が起こりやすくなる。

・一回の嚥下で飲み込める量が多いので、口からの栄養摂取量が多く取れる。

・安全に食べる訓練ができる。

 ・胃より上に口があるので、胃から飲食物が逆流しない。

 

 ・嘔吐しても口から直ぐに吐きだせる。

 


完全側臥位の作り方

完全側臥位で食事をするときの注意点を4つのビデオで紹介します。

  1. 完全側臥位の姿勢調整方法 完全側臥位支援クッション(ピタットくん90)の調整
  2. 頸部回旋の調整方法 ふたこぶラックンの調整方法
  3. 自分で食べる(自力摂取)ときの注意点
  4. 食事介助する時の注意点

 


1.完全側臥位の姿勢調整方法 完全側臥位支援クッション(ピタットくん90)の調整

 3分36秒

ベッド上で、仰向けから完全側臥位にするときの注意点を説明しています。 

 

  • 膝の立て方
  • 腰の引き方
  • 腕の位置
  • 足の位置 など患者さんと介助者の負担が少なくなる方法を丁寧に説明しています。
  • 完全側臥位クッション(ピタットくん90)の調整方法を説明しています。


2.頸部回旋の調整方法 ふたこぶラックンの調整方法

2分45秒

 

頸部回旋で飲み込める症状

  • 口腔期からの送りこみが不十分な方
  • 咽頭残留が多い方
  • 食道入口部の開きが悪い方
  • 頸部回旋を安定させるふたこぶラックンの使用説明


3.自分で食べる(自力摂取)ときの注意点  2分55秒

片麻痺でも動く腕を上にすれば、自分で食事が取れる方法です。

健側側(麻痺のない方)を下にする健側傾斜姿勢の場合、自分では食べられません。

 

最後に、咽頭側壁に溜まっている食材を水またはとろみ水に置き換えるフィニッシュ嚥下をして下さい。



4.食事介助する時の注意点

 

  3分6秒

完全側臥位で、食事介助をするとき介助者が患者さんに対して45度の位置に座ると、口の中が見や

すく食べさせやすくなります。

 

最後に、咽頭側壁に溜まっている食材を水またはとろみ水に置き換えるフィニッシュ嚥下をして下さい。



 

横になれる場所が確保できれば

フラットなベッド上

背もたれをフラットにして、リクライニング車いす上で

 

食べられます。


 

・麻痺がないほうの手で食べられます。

15㏄~20㏄(大さじ)ぐらい口の中に入れても誤嚥しません。

・横向きに寝ているので疲れません。

・誤嚥しないでたくさん食べられます。

※食後に水またはとろみ水で貯めている食材を飲み込んでください(フィニッシュ嚥下)。

 

 

残留物を取り除くフィニッシュ嚥下について


完全側臥位法を実施するにあたって、食後に必ずフィニッシュ嚥下をして下さい。
気管の入り口周辺に貯まっている食材を水やとろみ水など誤嚥リスクの少ないもので食道へ流し込むことをフィニッシュ嚥下と呼んでいます。
フィニッシュ嚥下をなぜするのか福村先生がブログで解説されています。内容は下記の通りです。

完全側臥位法を導入する時の質問で
「フィニッシュ嚥下で水分を飲み込むときに誤嚥しないか不安です。」と質問されます。
フィニッシュ嚥下は、心配されているとおり残留した水分は誤嚥される可能性があります。
ではなぜわざわざフィニッシュ嚥下をするのか?

はじめに知るべきは、嚥下反射は再現性が高く、咽頭収縮が弱いところは常に何かが残りうるということです。
ヒトは常に唾液や鼻汁を咽頭に流し込んでいます。つまり収縮不良部分に唾液や鼻汁が常に残留していることに対してどうするか、ということです。
場合分けをしましょう。

① 何も食べていない場合・・・鼻汁、唾液による汚染
② 食べた場合・・・食材
③ フィニッシュ嚥下した場合・・・とろみ水

なにも残留していない、という選択肢がありません。この①から③で何を選びますか、という問いになるのです。
完全側臥位法以外でも、食材の残留があり取り除くためにフィニッシュ嚥下を行っています。
一 般に、咽頭残留除去として行われている方法にゼラチンスライス摂取法があります。ゼラチンスライスの摂取は、嚥下反射惹起が遅れる方では誤嚥リスクが高く なりますのでご注意ください。また食道入口部開大不全が強い方の場合はつよいとろみ水で残留が増加しますので、症状に合わせてとろみ水、水、ゼラチンを使 い分ける必要があります。症例数が多いのは嚥下反射惹起遅延を主体とした偽性球麻痺ですので、特殊な環境、例えば頭頸部外科病棟などを除けばとろみ水を使 うことが多くなるでしょう。
          

完全側臥位法を導入し成果が上がっています。

・経口摂取ができるようになる。

2,000kcal口から栄養摂取できる。

・完全側臥位から座位で食べられるようになる方もおられます。

  ・胃瘻を外し、経口摂取ができる方も多くおられます。


完全側臥位支援商品

弊社は、福村夫妻の理念に共感し、口から食べられる人生を全うできる完全側臥位法を多くの方、病院、施設で使っていただけるように情報発信と福村夫妻の指導のもと開発した商品を紹介しています。病院や施設で、完全側臥位法を導入するとき勉強会や研修などに使用できるDVDや共通道具の準備を進めています。

 


 

医療・看護・介護で役だつ嚥下治療

エッセンスノート

編著者 福村直毅

飲み込みを理論化し、症状から、安全な飲み込み方を推測し分かりやすい写真とイラストで実践できる嚥下治療ガイドブック。

 税込み 3,564円

 



完全側臥位法の導入に役立つ支援DVD

 完全側臥位の姿勢。食事の注意点。ふたこぶラックン・ピタットくん90の調整方法を収録。

完全側臥位法支援DVD収録メニュー

1.完全側臥位調整方法 3分35秒

      完全側臥位調整方法

     ピタットくん90の調整方法

2.食事介助の方法 3分35秒

3.頸部回旋のポイント 2分45秒

ふたこぶラックンの調整方法

4.自力摂取の方法 2分54秒

 

透明咽頭モデルによる誤嚥の仕組み解説 6分04秒

1.座位での誤嚥の仕組み 1分02秒

2.背中にもたれかかったときの誤嚥の仕組み 1分39秒 

3.仰臥位30度での誤嚥の仕組み 1分39秒

4.完全側臥位での誤嚥の仕組み 1分44秒 

 

 税込み 3,240円


嚥下治療講座2018山形読影会DVD収録メニュー

(嚥下の仕組みとVE評価のポイント)に使用した51枚のPDFは、すぐに勉強会などに利用できます。

ディスク1.81分59秒

嚥下の仕組みとVE評価のポイント  34分49秒

姿勢と咽頭の考え方            6分38秒

外来10症例の解説 1~10         40分32秒    

ディスク2.59分16秒

姿勢と咽頭の考え方                 6分38秒

在宅・施設13症例の解説 24~36  52分38秒

ディスク3.51分1秒

姿勢と咽頭の考え方               6分38秒

病棟12症例の解説 46~57     44分23秒   

ディスク4.53分29秒

姿勢と咽頭の考え方         6分38秒

病棟9症例の解説 58~66         46分51秒

 

税込み 6,480円

完全側臥位支援クッション(ピタットくん90)

背中への倒れ込みをビーズクッションで支える。身体の下に敷く自重シートによりクッションのずれを防止。 

完全側臥位を背中から支えるクッション。唾液誤嚥予防・回復体位にも使えます。

サイズ:クッション部280×700×150mm 自重シート部200×280mm

 税込み 8,640円

単品ご注文の際 調整DVD付属

 


ふたこぶラックン

三角形と長方形のクッションにタオルを取り付け頭を乗せるとしっくりと頭頸部を支えます。頭頸部を安定させ、頸部回旋、頭部の高さ調整が行える。食事中の完全側臥位を簡単に保持できる枕。

税込み 12,000円

 単品ご注文の際 調整DVD付属

 


商品体験予約

弊社まで来ていただけると、簡易ベッドを使用して商品を使って完全側臥位や回復体位を体験していただけます。

トラピスを用いた簡単な誤嚥予防の仕組みもお伝えいたします。

作業場で行いますので、ご不便をおかけすることお許しください。

 

当日来られても対応できません。

お申し込みは、お電話でお願いいたします。

電話番号 078-651-3819

携帯番号 080-5349-0829

 


※病状や症状により完全側臥位でも食べられない方はおられます。

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