「在宅介護での完全側臥位②」

平成31年4月13日

 

父は食事の時には完全側臥位に、それ以外の横になっている時間は回復体位で過ごしています。
その時にクッションを使っています。これらのクッションのおかげで、在宅でも完全側臥位や回復体位を簡単にできて父がとてもリラックスして過ごせているのでありがたいです。
一つの例として使用している様子を今回は紹介させていただこうと思います。

父は首が大きく反り返ってしまっているため唾液を貯めておくスペースが普通の人より少ないので、仰臥位でいるとすぐにゴロゴロしてしまってとても苦しそうで、頻繁に吸引をしなければならない状態です。
ですので退院してから福村先生に診察していただくまでの仰臥位で過ごしていた日々は、唾液誤嚥しないだろうか…と、とても心配で何度も父の様子を見にいき気が休まりませんでした。

福村先生と弘子先生にご指導していただいてから、回復体位にすることでこんなにも父がリラックスできることに感激しました。
完全側臥位にすることで食べさせてあげることもできるなんて!と大変驚き感動して喜びで胸がいっぱいになりました。
適切な体位にしてあげることの大切さを先生から教えていただいてから、父は穏やかな時間を過ごせるようになりました。

食事の時には、ふたこぶラックンと回復体位クッションとピタットくんワイドを使っています。
ふたこぶラックンを使うと頭と首をしっかりと支えてくれて反り返りを防いでくれるのでとてもありがたいです。
ピタットくんワイドもしっかりと背中を支えてくれます。
ふたこぶラックンとピタットくんワイドを使うと完全側臥位を保つことができるので、いつも安心して食事をすることができます。
クッションを使い始めてからこの9ヶ月間ほどの日々を、父は安全に毎日お口から食べることができています。

写真は実際に回復体位にしている時のものです。


背中側にはピタットくんワイド、前側には回復体位クッションを使っています。
頭を低くしたいので、頭の下にはバスタオルを2枚重ねて半分に折ったものをさらに縦に半分にしたものを敷いています。
唾液が口の外に流れ出てくるので、汚れてもすぐに替られるように口元にフェイスタオルを敷いています。
なるべく前傾になるようにバスタオルをくるくる丸めたものとクッションを置いて隙間を埋めて首が反り返らないようにしています。
そうするとお口も閉じていられます。

横向きになると耳が下になるので耳が赤くなって少し切れてしまったことがありました。
注意しないと耳も褥瘡になってしまうことを知りました。
看護師さんに柔らかいタオルを丸めたものを耳に沿って置いて直接耳が触れないようにしてあげるといいとアドバイスしていただいてからはそのようにしています。
足底もちゃんと支えてあげた方が良いと弘子先生から教えていただいたので、バスタオルをくるくる巻いたものを足底に当てています

体に楽な回復体位は肩と肘の高さを同じに、骨盤と膝と踵を平行にするとありますが回復体位クッションを使うと簡単にそういう状態にしてあげることができます。
父は少しでも重たいと「重いからどけて」というのですが、こちらのクッションは4ヶ月ほど使っていますが、軽いので父はとても気に入っている様子です。
軽い素材ですが、しっかりと支えてくれるので回復体位を保つことができて、こちらを使わせていただいてから父はとてもリラックスして過ごすことができるようになりました。
表情もとても柔らかでスヤスヤ寝ている父を見るとこちらもホッとします。

回復体位クッションがまだなかった時には、ホームセンターで細長い抱き枕を買ってきて、そのクッションにタオルケットを巻いて父に抱かせて回復体位にしていました。
タオルケットを巻いたのは、そのクッションの素材がツルツルしたものだったので足が滑らないようにするためと、少し幅と高さが足りなかったのでタオルケットで幅と高さの調整できたらいいなと思ったからです。
ですが、そのようにしても肩と肘の高さが同じに、骨盤と膝と踵が平行になるようにはできなくて、今考えると父の身体のどこかに少し緊張があったように思います。
ですので、回復体位クッションを使わせていただいた時にとても感動しました。

代替のものでも完全側臥位や回復体位はできますが、これらのクッションを使っている場合と使っていない場合を比較すると、断然クッションを使っている時の方が父の心身の緊張がスッと抜けてとてもリラックスしていることが表情からも感じられます。
父に快適に過ごしてもらうために我が家ではなくてはならないものになっています。

それぞれのクッションは細やかなことまでよく考えて作られていて、作ってくださる方々の患者さまが楽な姿勢を保てますように、食べることができますようにとの思いが込められていることを感じます。